次に見せた姿はあまりに小さかった。それでもその見覚えのある姿に俺は驚愕を隠せなかった。
貴方「朱理!?」
長い金髪に、胸元を大きく開いた赤いドレスのような見た目の戦闘服。首領蜂隊のエレメントドールが立ちはだかってきたのだ。かつて月の異変に共に挑んだ仲だったこともあり、俺は引き金を引く指の力が抜けてしまう。
朱理「ターゲット発見。蜂の巣にしてやるわ」
いいや、この時間軸では……首領蜂隊が幻想郷を蹂躙し尽す未来を回避したこの時間軸では俺は朱理と共に戦っていない。躊躇は不要だ!
だが、この一瞬の気の迷いはあまりに致命的であった。首領蜂隊のエレメントドールの中でも最も機動力に優れる彼女は一瞬で間合いに入ったかと思うとオレンジ色のレーザーを放ってきた。自らの体が完全に隠れてしまうほどの太さだ。
すかさずフォースフィールドを展開して直撃は避けたがバジュラバイパーは大きく弾き飛ばされ、空中でバランスを失ってしまった。
貴方「素早い相手にはハンターだ!」
こうなればこちらは逃げの一手。朱理は機動力も火力も高いが、その攻撃手段はいずれも直線的なものであり左右に翻弄すればさしたる脅威にはなりえない。大きく周囲を旋回しつつ、標的に向かって飛んでいく青いエネルギー弾を浴びせ続ける。
やはり決定打にはならない。ハンターの火力の低さは俺自身もよく分かっていた。しかも朱理はいくつかの弾を回避して見せている。不意に朱理が一気に間合いを詰めてきた。まずいと思い、レイディアントソードを構えようとするが、それよりも早く至近距離からのレーザー攻撃を受けてしまった。オーラも含めての倍の火力をモロに受けてしまった俺はバランスを崩してしまう。
貴方「今のでハンターとレイディアントソードを失ったか……」
システムボイスの声を受けて俺はまた落胆する。俺が満足に動けなくなったのを確認すると朱理……いや、朱里の姿を取った赤いクリスタルがこちらを諭すような口調で話しかけてくる。
朱理「このままだと、貴方は死にます。もう一度飛びたくないのですか? この空を」
貴方「ほざけ、自然も生命もない幻想郷なんて死んでもごめんだぞ!」
切り捨てるように拒否しても、こちらに手を差し伸べてくる。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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