私は赤い悪の手先を前にして、動けずにいた。

心の奥底で○○の気持ちが理解できてしまっていたからだ。自らもかつては死ぬことを恐れ、魔法という禁忌に触れ人間であることを辞めてしまった身ではないか。

出撃した時の○○は確かに命を投げ出す覚悟を持っていたのだろう。だが、あの赤いクリスタルの甘言に惑わされてしまったに違いない。○○は悟りの道を行く者でもないのに悪魔に囁かれたような状態なのだ。この私ですら同じ状況なら惑わされていたかもしれない。彼だって同じだ。

それを考えると、どうしても手を下せないのだ。

○○「そこを……どけっ!」

だが、相手は躊躇いもなく突っ込んできた。思わず私は身を屈めて防御の姿勢を取る。

白蓮「あ、あれ……?」

突っ込んだきり、私のことを無視して飛び去ってしまったのだ。そして銀翼は思いもよらない行動に出た。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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