赤い空間では至る所で小爆発を起こしており、時折ノイズのようなものまで発生している。主を失ったこの空間は加速度的に崩壊の速度を速めていた。

貴方「間に合うかっ……!」

対するこちらも光の粒子になりつつある銀翼を全速力で飛ばして幻想郷への帰還を試みる。時々爆発に巻き込まれて機体が大きく揺れるが、それでもかまわずに一直線に突き進んだ。

背後からは連鎖的に空間が爆発している。アレに巻き込まれたら終わりだ。だが、非情にも爆風の波はみるみる距離を縮めてくる。

貴方「いざ、南無三っ!」

あらん限りの動力を銀翼に注ぎ込む。そして大きな赤い壁に到達、そのまま激突すると思ったが実体のないものであり、すり抜けてしまう。やった、脱出できたぞ!

しかし赤い空間を脱出した直後、背後から衝撃が走る。どうやらエンジンが限界を迎えたらしく爆発を起こしてしまったのだ。火を噴きながらみるみる出力の下がっていく銀翼。

貴方「あと少しなんだ。あと少しだけ持ちこたえてくれ!」

フラつく挙動をどうにか抑え込み軟着陸を試みるがこのままの勢いでは人里に突っ込んでしまう。

貴方「止まれぇっ!」

その惨事だけは避けるべく、俺は予定よりも早く接地した。しかしそれだけでは勢いを殺せず銀翼はバウンドし、もう一度地面に激突した。激しく火花が飛び散りスピードが落ちていく。だが、それでも勢いは止まらずに人里のボロ屋敷に突っ込んでようやく動きが止まった。

貴方「うわあああっ!?」

突っ込んだ衝撃で瓦礫がなだれ落ちてくる。脱出しようとするも俺はそのまま瓦礫の下敷きになってしまった。

なんとか脱出しないと。下半身がまるで動かない中、どうにか瓦礫をどかすと外の風景が見えた。

それを見て俺は……驚愕した。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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