「それ」は今も不気味な沈黙の中、浮遊していた。

「それ」は今も自らの空間を広げ、侵食していた。

幻想郷をリセットして自らの住処にしようとする存在……。沈黙が重苦しい。俺も、そしておそらく奴もどう仕掛けるかを伺っているのだ。

ゆるりゆるりと回転する表面のツルツルした八面体。一瞬その一面にバジュラバイパーが写り込んだ気がした。

貴方「でぇぇぇやぁぁぁぁぁ!」

雄叫びと共に弾丸を撃ち出したのは俺。紫色の弾はクリスタルに着弾すると疑似ブラックホールを展開し始める。よしっ、完全に不意を突いた! 素早い追撃にクリスタルはまるでついていけてない。

だが、こちらにも異変が起きた。一瞬だけコクピットから光が失われ、そして戻ったのだ。それと同時に急に襲い来る虚脱感。操縦桿を握る手からも力が抜ける。慌てて俺は強く握り直し気を強く持つことで持ち直したが、ディスプレイには信じられないものが表示されていた。

システム「You lost your weapon.」

ロスト……? ディスプレイを見るとグラビティバレットのアイコンが消失してしまっているのだ。現にトリガーを引いてもあの弾丸は発射できなくなっていた。俺が銀翼の生みの親を傷つけたから? 仕方ない、他の兵装で攻撃を続けよう。

ここでバジュラバイパーの持つ兵装チェンジ機能が役に立つ。しばらく無防備にはなるが、丸腰よりはマシだ。俺はあらかじめオプションをフル稼働させると、その全てからフォトントーピードを発射した。まるで赤いクリスタルを取り囲むようなフォーメーションで。

貴方「よし、レーザー系兵装をツインレーザーに!」

換装は大きな隙を生む。その間に俺は白蓮に迎撃を任せることにした。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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