長く閉じていた瞼をゆっくりと開く。少し、昔のことを思い出してその光景が瞼の裏に鮮明によみがえっていたのだ。
あれから何年が経ったのだろうか? こういう旅を続けていると時間の感覚というものが分からなくなってくる。
とにかく俺達は「あの事件」以来、膨大な時間をこの時を超える船「聖輦船」の中で過ごしてきた。その旅路の終わりは未だ見えそうもない。
一輪「ダメだったわ。この村で人々を導く僧侶の噂を聞いたのだけど、蓋を開けてみたら聖様じゃないどころか、真っ当な僧侶ですらないただのペテン師だったの」
あの日、白蓮は赤いクリスタルとぶつかり合いいずこかの時代に飛ばされてしまった。俺達はどこかの時代で今も助けを待っているであろう白蓮を探すために気の長くなるような長い長い旅を続けている。
しかし成果はなかなか出ない。もうかれこれ何十年……いや、何百年かもしれない。気の遠くなるような時を俺は過ごしてきた。
貴方「はあ……」
あの日のことを思い出してしまい、ナイーブになっているようだ。俺は鏡を見て自分の顔が思っていた以上にやつれていることに気が付いた。俺は白蓮を見つけ出すために、人間であることを捨てた。人の寿命では決して成し遂げられないと分かっていたから、だから俺は白蓮と同じ道を辿り魔法使いとなったのだ。
その出で立ちは何の因果か、白蓮の弟である命蓮のものに酷似するようになっていったのだ。
貴方「……よしっ!」
鏡を前に、俺は気合を入れる。白蓮と同じ紫色から金色にグラデーションする髪型にもいい加減慣れてきた。立ち止まっている時間などない。あの時俺は白蓮を守れなかった。だから今度こそ白蓮を迎えに行く!
貴方「聞いてくれ、みんな! この時代での調査は十分に済ませたから次の時代に向かおうと思う」
大きく号令をかける。
星「それにしても○○さん、船長が板についてきましたね」
本来はムラサが船長なのだが、白蓮を見つけ出すまではその役職を俺に譲ってくれているのだ。
ムラサ「OKだよ○○。いつでも跳躍できる」
よし、船出だ! 俺は改めて号令をかけると聖輦船は音もなく浮遊して、そしてこの時代から忽然と姿を消す。
俺達の旅はまだ終わらない……。
銀翼と妖怪寺EVO
~Eastern Valiant Order~
THE LONGEST VOYAGE
From「BLAST WIND」
BGM(新しいタブが開きます)
貴方の幻想郷ライフはまだまだ続く……
あとがき
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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