砕け散る。何もかもが。全ての元凶とも言える赤いクリスタルを完膚なきまでに破壊した俺は今まさに光の真っただ中にいた。そこに銀翼の姿はなく、俺は空中に投げ出されている状態だ。
そう、幻想郷に入り込んだSTG世界の住民や兵器は全てコイツから生み出されていた存在。それを打ち砕くということはそれらの消滅を意味しているのだ。
俺の銀翼も例外ではない。元々満身創痍と言える状況だったうえに散々機体に無茶もさせてきた。赤いクリスタルの崩壊とほぼ同じタイミングだったのかもしれない。
貴方「うぐあっ……!」
だが、それ以上に深刻だったのが魔力を溜め過ぎたこと。耐性はそのままなのに魔力を魔法使い並みに溜め込む体質である俺はこの実体のない「諸刃の剣」に苦しんでいるのだ。皮膚が焼けただれるようなヒリヒリした痛みに、喉の奥に熱した鉄の棒をねじ込まれたかのような苦痛。
今まで敵を倒すために溜め込んでいた力がこちらに刃を向けてきたとも言えよう。
白蓮「ああっ、○○さぁんっ!!」
ギュっと柔らかな体が押し付けられる。白蓮が俺を抱き留めたようだ。帰りは彼女に運んでもらうという算段なのでこれは自然な事であるが、不思議と苦痛も和らいでいった。
もしも今俺一人だったらまず無事ではなかっただろう。空が飛べて、しかも魔法使いである白蓮が傍にいてくれて何よりであった。こうやって密着して俺の体に溜め込まれた魔力を吸い上げているようなのだ。
その心地よさから、俺は白蓮を抱き返した。
白蓮「よしよし、こんなになるまでよく頑張りましたね。あとは私にお任せくださいな」
心の底から安心感が湧き出ると、俺は疲れから眠りについてしまった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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