紫に連れられて本殿に戻ると、白いオオカミのような耳を生やした天狗「白狼天狗」の椛が窓から空を注視していた。
椛「山の神様に頼まれて、あの金色の石を監視しているのです。見張りは私みたいな白狼天狗に任せて、住職サマはどうか体を休めてください。これから何が起こるのか分からないのですから……」
生真面目な椛はピンと背筋と声を張って、自らの仕事について話す。幻想郷としても未知の異変を前に、何が起こるか分からない。それを見極めるのなら普段から天狗の里で見張りや警備に携わる白狼天狗が最適だろう。
濡れた髪と服をぬぐうと白蓮は広間に辿り着く。そこにはささやかながら色鮮やかな食べ物が並べられており、小規模な宴会でも開かんという感じであった。
白蓮「こんな大事な時に!?」
声を荒げる白蓮を制止するのは片手にビールのジョッキを手にした神奈子であった。いつものようにデンと地べたに座り、片足だけ膝を立てている。
神奈子「こんな大事な時……だからこそだ。○○はきっと帰ってくる。英雄を迎える準備は今からでも遅くないと思うがね?」
それだけ一気に告げるとジョッキの中身を一気に煽った。その横で小柄な神様がいたずらっぽく笑いながら補足する。
諏訪子「さすがにノンアルコールビールだけどね。アルコールは○○が無事に帰ってきたら解禁。さあさあ、いつ急に駆り出されるか分からないからね? 住職サマも食べるもの食べて英気を養って欲しい」
更に広間の隅っこでウンウン唸りながら写真機とにらめっこをしているのは鴉天狗のはたて。恐らくは八雲亭で戦っている銀翼を念写しているところだろう。ただ、その表情からあまりうまくいっていないことが伺える。
はたて「ダメね。ジャミングされてしまう。ハッキリとした写真は念写できないわ」
誰もが○○の成功を信じて自分にできることを進めている。白蓮も心配するだけではいけないと心に決めたのであった。
銀翼と妖怪寺EVO IIに続く……
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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