八雲亭に突き刺さった黄金の八面体。その上半分は屋敷の外側に突き出している。先端は今も「博麗大結界」にくっついており、結界を侵食しようと赤黒い亀裂をさらに広げようとしていた。

そんな神々しくも禍々しい様子を見て無邪気にはしゃぐ邪仙の姿は、逆に恐怖心を煽らされた。

青娥「うふふふ、また二人っきりになれましたわね♪」

コイツは絶対的な悪人の筈なのだが、普通に会話する分にはそういった面がまるで見えない。恐らくは自分でも何が善で悪なのか分かっていない、あるいはそもそも興味がないとかだろう。

貴方「趣味の悪い攻撃をしやがって。だが、貴様お得意の怨念とやらはそこまで強くないようだな。お前もそろそろ弾切れなんじゃないか?」

実際にそうなのかは分からないが、とりあえずハッタリをかましてみた。

青娥「ねえ、その前にちょっとお話ししたいのだけどいいかしら? どうせわたくしのことは許してくれないのでしょうし、すぐにでも戦いたいのでしょう? でもね、わたくしも貴方のことよく知りたいの」

コイツは何を言ってるんだ? 急な申し出に俺は少し動揺してしまった。本当は今すぐにでも引き金を引かなくてはいけないのに、それでも俺はその続きが聞きたいと思ってしまった。

青娥「貴方は生き延びるために今まで戦ってきましたね? 幻想郷から、そして外の世界からの脅威に抗い続け、生き抜くために成長し、それを退けてきた」
貴方「全部テメーが仕掛けたマッチポンプだったようだけどな」

俺の横槍もどこ吹く風と言わんばかりに奴は更に続ける。

青娥「まあ否定はしませんわ。とはいえ結果的にそうなって、貴方はここまで生き延びることが出来た。だけど、今はまるで逆のことをしていますわ。自分から死にに行くようなものですわよ?」

俺はただ生き延びることを考えていた。しかし未知の勢力に翻弄する友人たちを見ているうちに、俺は次第に自分なりの正義を掲げて戦うようになっていったのだ。

俺が立ち上がらなくてはいけない、俺一人ではどうにもならないから人と人を繋げる希望とならなくてはいけない……と。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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