それはかつて俺が倒したバイオレントバイパー……いや、イボルブバイパーのものであった。青娥の周囲にその銀翼のパーツが集まっていき、彼女を包み込む。

青娥「欠陥品……。貴方には生き物として重大な欠陥がありますわ。自分から死を望む生物がどこにいる? 進化の手段がその手にあるのに手放そうとする愚か者がどこにいる?」

所々に銀翼とは関係のないパーツも組み込まれ、パッと見のシルエットこそバイパーによく似ていても、非常に禍々しいキメラのような機体が組み上がっていった。

青娥「生物としての失敗作は淘汰されるべき。それは歴史が証明し続けてきた。自ら破滅を選ぶ愚か者よ、貴様がそのような意志を貫くというのなら、わたくしこそが新たな銀翼の駆り手となり、新たな幻想郷に君臨する」

何ともおぞましい姿。生まれることなく歴史に葬られたイボルブバイパーをベースに様々なパーツがゴテゴテとくっつけられているのだ。これもある意味生まれ落ちることのなかった存在「水子」を使った青娥のスペルといっても過言ではない。

最後に「石のような物体」を模した小型の八面体が周囲に4つ展開される。なるほど、あくまで銀翼を名乗るつもりらしい。

青娥「心せよ、わたくしの銀翼は全ての知識を包括したもの。名付けるなら……『アカシックバイパー』!」

今のバジュラバイパーならグレートシングやギガンティックバイトでも倒せないと判断したのだろう。アレも確かにSTG世界と幻想郷のミックスともいえる存在。だが、まがい物だ。

だから今回は臆すことなどない。あんな不安定な偽物、すぐにでもスクラップにして、そして最後はあの石を……!

アカシックバイパーが臨戦態勢を取ると同時に、背後の「石のような物体」も激しく輝き始める。無数の飛行戦艦や戦闘機が早苗と魔理沙に襲い掛かる。

貴方「この邪仙を片付けたらすぐに助太刀する。こいつらが外に出ないようにどうか持ちこたえてくれ!」

それだけ声をかけると、俺は自らの敵、自らの因縁に向き直った。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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