その後は一瞬であった。いつの間にか手にしていたお札が手投げとは思えない奇怪な軌道を描きつつ増殖したアカシックバイパーに迫っていく。そして、貼り付けられたかと思えば、元の瓦礫に戻り、バラバラと落ちていったのだ。
霊夢「随分と好き勝手にしてくれたじゃないの。だけど、あんたの三日天下もこれでおしまい。博麗大結界を乗っ取ろうだなんて悪行をしたのだもの。二度と朝日は拝めないものと考えるのね」
この圧倒的な強さ、容赦のなさ、幻想郷の守り人としての使命感……。まさに俺の知っている霊夢そのものだ。
歓喜の声を上げながら魔理沙が霊夢に飛びついてきた。
魔理沙「霊夢ぅー、とうとう記憶が戻ったんだな!?」
霊夢「ええ、随分と世話になったわ。全てが片付いたら博麗神社のお賽銭、少し分けてあげるわ」
魔理沙「いや、それはいらないんだぜ……。というかほとんどカラッポだろうに」
霊夢「さあ、無駄口叩いてないであの邪仙を懲らしめるわよ? 私にいい案があるの」
霊夢は完全に復活したようだ。さて、俺もこうしちゃいられないな。墜落した早苗とガントレットを救出するべく低空を飛行する。
早苗「ふう、なんとかガントレット、まだ動かせます!」
貴方「よーし、あの二人に負けないように俺達も援護するぞ!」
黄金の八面体から再び無数のバイドが産み落とされていく。奴らの注意をこちらにそらせよう。
霊夢「ちょっとその箒に乗せて。あんたのスピードで一気にあの『石のような物体』に接近するのよ」
俺達は霊夢よりも高空を飛行しつつ、スプレッドボムを投下してバイドどもの注意を引く。
貴方「そらっ、こっちだ!」
そうしているうちに霊夢が「石のような物体」の目の前にまで到達。
霊夢「霊符『夢想封印』!」
青娥「させるかっ!」
アカシックバイパーからの横槍を魔理沙が迎撃。怯んだ隙に霊夢は詠唱を完了させた。
無数のお札が七色の光を帯びながら飛んでいき、黄金の八面体に貼り付けられていく。ほどなくして金色の輝きは失われ、くすんだ灰色をしたただの石になってしまった。
霊夢「壊すことが出来ないのなら、封印して無力化するほかないわね」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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