だが次の瞬間、ホーミング弾は全て空中で静止、そのまま光の粒子となって雲散霧消してしまった。
青娥「なっ!?」
何が起きたんだ? 俺も魔理沙も逃げ惑っているだけで、早苗は墜落している。霊夢は空中から叩き落されて無事ではない筈だし……だけれど俺達以外に誰かが空を飛んでいるのだ!
魔理沙「嘘だろ……?」
一人の少女が顔を俯かせて浮遊してきたのだ。その光景に俺も魔理沙も言葉を失っていた。
負傷しているのか、ダクダクと今も流血しており、ズタズタになった純白のブラウスを赤く染め上げている。
頭からも出血しているらしく、空飛ぶ少女はブラウスの左右の袖を引きちぎり、片方はハチマキのように額に巻き、もう片方は長髪をまとめ上げるように乱雑に結び始めたのだ。
仕上げと言わんかぎりに袖の余った部分で二の腕の出血を縛って止血。
血染めの上着に血染めのリボン。そして腋を露出させた妙な袖……。血で染まり赤黒くなった服……。その出で立ちは明らかに先程の蓮子のものではない。髪から垣間見えるその眼光は平和を謳歌した外来人のものではない。
多くの修羅場を潜り抜けた「幻想郷の希望」……。
魔理沙「霊夢……、霊夢なのか?」
応える声はない。血染めの少女がキッと青娥を、アカシックバイパーを睨みつける。
青娥「い、今更目を覚ましても手遅れですわ。じきに幻想郷はわたくしの手中に収まる。博麗大結界の完全侵食をもってして」
虚ろな瞳はゆっくり閉ざされる。そして訪れる重苦しい静寂。青娥も俺達もこの間は全く動くことが出来なかった。
そんな時が何秒流れたのだろうか? いや、何分かもしれない。血染めの巫女の目が再びカッと開かれた。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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