思いきり地面に叩きつけられているのに崩壊していない八雲亭に対し、光を失った「石のような物体」はヒビが入り、朽ち始めていた。そう、俺達は勝ったのだ。
だが、あまりにも静かであった。あの轟音を聞きつけたのか、白蓮や神奈子、はたてがここに集まっていたのだが、それでも重苦しい静寂が周囲を覆っていた。
貴方「提督……」
八雲亭での戦いを裏から支援してくれたジェイド・ロス提督も、憎まれ口を叩きながらも何だかんだで俺達を助けてくれたゴーレムやゴーファーも一人残らず消えてしまっていたのだ。
唯一残っていたのがサグメの率いるエンディミオン隊。まあアレはSTG世界の技術のコピー品だから残っていても説明がつくだろう。同じ理由で早苗の戦闘騎も健在だ。
サグメ「……」
全てが終わり、どこか満足気な表情を浮かべながらも口をつぐんでいるは月の賢者。迂闊に言葉を発せないので今も無言だが、その表情からは安堵していることが伺える。俺も無言でサムズアップをして返した。
それを見ると満足げにエンディミオン隊を引き連れてサグメは月へと帰っていく。いや、何度か名残惜しそうな感じで振り返っていたが。
白蓮「○○さん、これは……?」
貴方「『石のような物体』が封印されたことで、彼女から生み出されたSTG世界の住民は姿を消した。異変の根源を叩いたんだ。だから……誰もいなくなった。もちろんジェイド・ロス提督も、俺の相棒も……」
いたたまれなくなったのか、ふんわりと白蓮は俺を抱き留める。暖かで柔らかな感触に身を委ねる。戦友や相棒を失ったのは悲しいがだがこれが幻想郷のあるべき姿なのだ。俺は胸元に伸びた白蓮の暖かな手を取り、ゆっくりと目を閉じる。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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