しかしその表情は妙にあっけらかんとしていた。

はたて「返事はすぐじゃなくてもいいわ。いつか返事を聞かせてくれれば。それに聞いてくれただけでも随分と心が晴れ渡ったもの。貴方と同じで、私の戦いもほぼ勝ち目のないものだったし」
貴方「待て、はたて! だから俺にはその『いつか』が来ないかもしれないんだぞ!」

飛び立とうとするはたてを制止しようと身を乗り出す俺は足を滑らせてしまう。屋根の上で転びでもしたら最終決戦どころではない。だが、近くに天狗がいたのが幸いしたようだ。

はたて「危ないっ!」

危ういところで俺ははたてに抱かれて事無きを得る。こんなに可憐で乙女なはたてもやはり鴉天狗、つまり妖怪なのだなと思い知らされるのであった。

はたて「ごめんね。ここまで連れ出したの私だし……」
貴方「いや、大丈夫だよ。とりあえず地上に降ろしてくれ」

ちょっとしたハプニングも交えつつ、はたても心の奥底に溜め込んだものを吐き出せたようだし、そういう意味ではよかったのだろう。

にとり「ほうほう、薄々そんな気はしてたけどねぇ。ニヤニヤ……」

降りた先に河童さえいなければ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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