容赦がない。魔法の類だろうか、紫色に光るクナイのようなものを足元に投げつけてきた。それは地面に刺さると爆発を起こした。

ヤバい、ヤバすぎるぞ! 本能が必死に訴えかけてくる。じりと後ずさりながら自分はこの場を離れる。逃げるしかない!

だが、あまりの恐怖で俺は腰が抜けてしまっていた。走りだそうとした脚に力が入らずぐにゃりとしてしまう。俺はしりもちをついてしまった。その体勢のまま、何とかあとずさりしようとすると、何か細長い物体に触れた。

貴方「(これは……フリント! さすがだ、墜落のショックにも耐えたんだな。よし、イチかバチか……)」

俺はおもむろに触手を持った生命体を紫に投げつけた。獲物を見つけたフリントは3本の触手を紫に絡めその動きを封じる。

紫「なっ!? しまった……」

今のうちに逃げよう。フリントと大破したフリントロックは後で回収する方法を考えるとして、今はこの危機を脱することが最優先だ。

紫「あっ、こらっ……。藍(らん)、橙(ちぇん)! あの外来人を捕まえて頂戴!」

今も触手と格闘をする紫はどこからか九尾の狐と黒い猫又を呼び出すと俺を確保しようと襲い掛からせる。

俺は振り向くことなく必死に走り、森を抜けた。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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