ここは……どこなんだ……。
俺こと○○はどうしてこんな事になっているんだ……?
これは……
ボンヤリとした頭で色々と思索する。
気がつくと自分は見慣れない森の中にいた。人の気配がまるでない。そう、気味が悪い程に。
振り向くと、黒い煙を上げている鉄の塊が転がっているのが見える。大きさは大体20メートルくらいだろうか。
折れた白銀色の翼がかつて飛行機、そう「飛ぶ鉄の塊」であったことを物語っている。
貴方が紡いでいたかもしれない……
実物を見たことはないが、自分はこれの正体を知っている。
これはゲームの中、圧政に立ち向かう老人たちが本当の自由というものをこの目で見てみたいと志を同じくした若者に託した戦闘機……いや、飛鉄塊「銀鶏」である。
そう、「ゲームの中」ではだ。架空の存在であるはずのこの飛鉄塊が実体化して大破してそこに転がっているのだ。
不規則(イレギュラー)な未来(フューチャー)の一つ……
「特定の色の敵弾を吸収」とか「しつこく追尾する力の開放」とか強そうな要素が目白押しではありが、これではそこら辺の鉄クズと何ら変わりない。
どうしてこんな事になってしまったのだろうか……。確か俺は空を飛んでいて……空を飛んでいて? あり得ない、俺はパイロットではないしまるで自分が飛行機乗りであるような考え方だった。
どうやら墜落のショックで記憶が混乱しているらしい。だが、俺の目の前には明らかに飛行機だったものの残骸。そして俺以外に人っ子一人いない。
気がおかしくなりそうだが、落ち着いて今日の出来事を思い出してみよう……
銀翼と妖怪寺I.F.
~Irregular Future~
四季映姫・ヤマザナドゥ編
→