???「おーいたいた。四季様が予定の時間をすっぽかすだなんて珍しいから探してみたら……って、四季様っ!?」

濃いピンク色の髪を持った背の高い少女は大鎌を手に近寄って来た。あんな物騒なものを持ち歩いているのだ。あれは死神っ……!

???「四季様は一体何があってこんなことに?」

自らを「小野塚小町」と名乗った少女は小舟に乗り、亡者を三途の川の向こう側へと誘導する死神だという。俺も○○と名乗るとこれまでのいきさつを話した。フムフムと頷く小町はとにかく映姫様の傷の手当てをしたいので裁判所まで向かうと言うのだ。

小町「ついでに○○も裁判所に行かないといけないからね。お前さんは何かの拍子で『幻想郷』っていう区域に迷い込んでしまったのさ」

彼女に連れられた先には彼岸花の咲き乱れる川のほとりがあった。おそらくあの向こう側が死者の……。ちょっと待ってくれ、この川を越えるということは……。

小町「大丈夫、川を越えただけで命はとられないよ。大体あたいや四季様はどうなっちまうのさ。幽霊? あっははは、ご冗談を……」

停泊していた船に最初に小町が乗り込むと、次に眠っている映姫様を、最後に俺が乗り込む。すると慣れた手つきで小舟を操り川を渡っていく。

小町「本当は博麗んとこの巫女さんの役目なんだけど、あのスキマ妖怪とドンパチやっちゃったんでしょ? スキマ妖怪と博麗の巫女は太いパイプでつながっているからね。ほとぼりが冷めるまであたい達が匿ってやろう」

それにしてもこの死神はやたらと話好きなようだ。幻想入り(幻想郷に迷い込んでしまう現象のことを言うらしい)の際のエピソードなんかは特に興味を示したらしい。

小町「ああ、あれ『銀鶏』っていうのね。証拠品として他の死神が回収していたよ。この後の裁判の為にね」

さ、裁判!?

小町「まあ形式的なものだと思うよ? ただの人間がこの幻想郷で悪さなんてしようものなら先に命を落としているさ」

映姫様が目を覚まし次第俺の身の潔白を証明するべく裁判を行い、そこで「白」と判断されれば俺はめでたく外の世界へと帰ることが出来るのだという。とにかくあと数日だ。この常識外れな世界と付き合っていかなければいけないのは。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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