案の定迷った。頼みの綱の携帯電話も非情なる二文字「圏外」を表示させていた。
とりあえず休もうとそこら辺に腰かけようとした矢先……
???「ごきげんよう……」
信じ難いが何もない空間が引き裂かれ、中から金髪の妖艶な女性が現れた。その女性が話しかけてきたのだ。引き裂かれた空間は紫色に渦巻いている。
???「招かれざる客人がこの『幻想郷』に何の用かしら」
ゲンソーキョー? 聞いたことのない言葉をオウム返しする。
???「そう、忘れ去られたモノが流れ着く幻想郷。そして私はその世界を管理している妖怪『八雲紫』……」
妖怪? 変な世界に迷い込んでしまったらしいぞ。尻もちをついたまま黙っていると八雲紫と名乗った女性は続ける。
紫「私はね、すっかり人間に忘れ去られたゲーム機、ええとプロジェクト……ええと細かい名前は忘れたけど、それを幻想郷に誘ったわ。でも貴方のことは誘っていない。そればかりかゲーム機ではなくて物騒なモノをこの世界に持ち込んでしまった」
物騒なモノとは紛れもなく何故か実体化してしまった銀鶏のことだろう。しかしあれは既に大破しており使い物にならない。
紫「あの空飛ぶ鉄の塊はオーバーテクノロジーの塊でもあるの。たとえ大破していたってテクノロジーの欠片くらいは集まる。そんなモノをこの幻想郷に野放しにしていたら幻想が幻想でいられなくなってこの世界が壊れてしまう。そしてそれが私にとってとても耐えがたいことであることも伝えておくわ」
貴方「無茶苦茶だ。こっちだってどうして銀鶏が実体化したのか聞きたいくらいなんだ! 自分の意思じゃない! わかってくれ!」
反論した。自分だって好きでこんな事をしたわけではないのだ。だが、ピシャリと遮られてしまう。
紫「黙りなさい! 前にもね、外の世界から核の技術が流れ込んだことがあるの。そのテクノロジーを、よりにもよって力と釣り合わない大馬鹿者が手にしたばかりに大変なことになったわ。だから……、今回はそうなる前に……幻想郷を崩壊させようとした異変を起こしたお前を屠(ほふ)ることにしたわ。……美しく残酷にこの世から住ねっ!」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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