???「何をしているのです? 迷い込んだ外来人の保護は必要なことですが、右も左もわからぬ外来人を傷つけるとは何事ですか!」
甲高い、でもどこか威厳のある声が凛と響く。紫の視線の先には緑色の髪をした小柄な女性が短い木簡のようなものを突き出して立っていたのだ。その女性が俺を庇うかのように移動した。一瞬だけこちらを振り向き、微笑んでいて気がした。
紫「厄介なのが現れたわね、幻想郷の閻魔『四季映姫』。これはどういうつもりかしら? 私は今から人間の身でありながら異変を起こそうとしたあさましい人間に罰を与えようとしたところなのだけれど」
紫が凄むが四季映姫と呼ばれた女性、閻魔様は少しも怯まない。
映姫「罪を測るのも罰を与えるのも私の役目です! 貴女は博麗の巫女と協力し、迷い込んだ外来人を確保していればよいのです。そう、貴女は少し勝手が過ぎる。これでは『死刑』ではなくて『私刑』ですし、よりにもよって貴女が裁きを下すなど……」
見るからに険悪なムードだ。クドクドと説教を続ける映姫であったが、紫は扇子を取りだしこちらに向けた。
紫「あーもう、分かったわ! あんたの説教は長すぎる上に分かり辛いから苦手なのよ。それよりも貴女の大好きな白黒はっきりつける方法で決めましょう。決闘……、幻想郷流の決闘『弾幕ごっこ』でこの人をどうするか、このほうが分かりやすいし何よりも早いわ」
こいつら、俺の命を決闘で決めるらしい。本当に滅茶苦茶な世界に迷い込んでしまったようだ。
映姫「なっ……、ふざけるのも大概にしてください! 人の命がかかっているのですよ」
紫「さては怖いのかしら? 負けるのが、私の『境界を操る程度の能力』に敗れるところを目の当たりのするのが」
どうにか穏便に済ませようとする閻魔様だ。どうにかして戦闘を回避するはず……
映姫「うぐぐ、私の『白黒はっきりつける程度の能力』が負けるはず等ありません! こうなれば今一度その身を持って貴女に力関係をはっきりと見せましょう」
ええっ、アッサリ乗っちゃったよ! 少なくとも自分は介入できないことが分かった。乱れ飛ぶ弾、弾、弾。俺は流れ弾に当たらないように物陰に隠れて二人の様子を見届けることにした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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