我が愛機は一輪が使役している入道「雲山」がお寺から引き抜いており、ひとまず正しい向きに置いてくれていた。
大破していたはずなのに、そして命蓮寺に突っ込んでいたのに傷一つなく、新品同様に戻っているようだ。
壁からアールバイパーが取り除かれて、命蓮寺の穴が明るみに出る。
リュックサックの少女はいささか、いや相当ばつが悪そうであった。
帽子を取り、聖に何度もペコペコ頭を下げていた。
???「壊してしまった部分は責任を取って直しますから、だから哀れな河童にお許しをー!」
河童? あの頭のお皿に背中の甲羅が特徴的な奴か?
きゅうりと泳ぎと相撲が大好きな悪戯好きの妖怪……なのだが、お皿なんてないな。甲羅もない。大きく膨らんだリュックサックが甲羅に見えなくもないが……。
そんなことより! アールバイパーが再び戻ってきたことの方が自分にとっては重要だ。
これが動けば俺は空も飛べるし弾だって撃てる。
そう、それはつまり……
「出来る、出来るぞ! 俺にも『弾幕ごっこ』とやらがー!」
喜々して思わず大声で叫ぶ。
響子がどこかにいるのか、「やらがー!」と何度かこだましている。それだけ大声だったのだ。
あまりの大声に皆がポカンとこちらを見る。
無音が続く。ただ河童の少女が小声で「ひゅい?」と驚きの声をあげていたくらいだ。
皆が自分に何かを言いたそうな顔つきをしている。
だがハッキリと言葉を発する者はいない。「あー」とか「ええと」とか的を得ない言葉が時折彼女たちの口から漏れるくらいだ。
意を決したのか、聖が重い口を開く。
聖「とても言い辛いことなのですが、貴方は……かなり可笑しなことを口にしているわ」
そうかもしれない。皆に慕われている聖だって、紫に「弾幕ごっこ」で勝てなかったのだ。
幻想郷の創造主たる大妖怪にこんなヒヨッコが勝負を挑むなんてのはちゃんちゃら可笑しいということなのだろう。
「無謀なのは分かっている。でも皆がこんな事態に陥ったのも不可抗力とはいえ俺のせい。だから俺自身の手で決着をつけたいんだ!」
聖「違うの、それもあるのだけれど、もっと根本的なこと。そうね……貴方はフリフリのワンピースを着て町を歩けるかしら?」
変な事を聞くものだ。自分に女装趣味なんてものはない。無言で首を横に振った。
「貴方は……殿方である貴方は女の子の遊びに首を突っ込もうとしているのですよ」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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