その頃、幻想郷辺境の某屋敷(マヨヒガではない)……
紫「藍(らん)ー、橙(ちぇん)ー! もういるのかしら?」
閉め切った部屋の中から紫の声が響く。藍とよばれた九尾の狐はその部屋の前に直立し、両手を袖に入れている。藍の隣に開いたスキマからポトリと落ちてきた猫又の少女、この子が橙と呼ばれる子である。
藍「それで紫様、要件というのは……」
橙「それより、ゆかりさまー、どーしてお外に出ないんですかー?」
紫「それはねー橙、わるーい人にお顔を殴られて顔が腫れちゃったからなのよー。だからゆかりんお顔が治るまで絶対に外には出ないわよー」
二人の会話を聞いて呆れかえる藍
藍「そうでなくても引きこもりがちだというのに……(ゆかりん……?)。それよりお顔は大丈夫なんですか?」
紫「大丈夫じゃないから貴方達を呼んだのよ。まったく……弾幕ごっこだというのに『超人』とかいって思いっきり殴りかかって来るんだもの。非常識すぎるわ、あの尼!」
ひとしきり喚き散らすと、紫は冷静さを取り戻す。
紫「……まあ愚痴ばかり言っても仕方ないわね。それじゃあ端的に言うわね。今から二人で命蓮寺に潜入して、あの外来人と彼が持ち込んだ超技術の銀翼の偵察に向かいなさい。まだ壊してはダメよ? 何が起きるか分からないのだから。頃合いを見て指示は出していくから、まずは偵察に専念して頂戴」
橙「はーい!」
藍「御意」
二人の式神はくるくる回りながら夕闇の空へと消えていった……
銀翼と妖怪寺IVに続く……
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録 / 登録済み一覧