いや、俺たちにいきなり不意打ちを仕掛けてきたのは青髪の邪仙ではなかった。一度見たら決して忘れられないだろう見事な九本の尻尾に帽子で隠したピンと立った耳。紫から気を付けるべき相手として忠告を受けていたのにまさかこんなに早く出くわしてしまうとは。

藍「ついに本性が出たな、この侵略者め!」

再び弾を放ってきたので、それをどうにかバックして回避する。ああ、霊夢から離れてしまった。

貴方「いきなり何をするんだよ! 霊夢に当たったらどうするんだ!?」
藍「黙れ、博麗の巫女を殺そうとしたのは貴様だな。もう言い逃れできないぞ!」

確かに血まみれの霊夢の体を自分の銀翼に運び込もうとしている最中だし、コンパクの手は彼女の血で濡れている。なにも事情を知らないのであればそう解釈してしまうのも無理はない。だが、俺が霊夢に危害を加える筈がないんだ。証人だっている。

貴方「霖之助さん、俺の身の潔白を証明してくれ! 俺がここに来た時には既に霊夢はこの状態で倒れていた。そうだよな? 俺はただアールバイパーに乗せて永遠亭まで運び込もうとしただけだ」

このままでは戦闘になってしまう。万全の状態でも勝てるか怪しいのに、今の飛ぶのが精いっぱいの状態ではおそらく勝負にならないだろう。暴力沙汰は何としても避けなくてはならない。

霖之助「あ、ああ。彼がここに来た時には既にこの状態だったよ。だから彼は犯人ではない」

よし、目撃者だっているんだ。これで俺を疑うことは出来ない筈……。

藍「では誰がこんなことをした? おい、見ていないのか?」
霖之助「それは……僕は見ていないから分からない」

この男、肝心の犯行現場を見ていないらしいのだ。再び俺に視線が突き刺さる。

藍「じゃあ貴様以外にいないではないか! 前々から貴様は何かやらかすと思っていたんだ。それでも認めないというのなら……認めたくなるようにしてやる!」
貴方「そんな無茶苦茶な!」

それはあまりに一方的なものであった。満足に動けないアールバイパーで紫の右腕たる九尾の狐に勝てる筈がないのだ。何度も地面にたたきつけられ、何度も弾に貫かれ、それでも俺は本当に霊夢に危害を加えていないから認めることができない。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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