藍「強情な奴め。だが、貴様以外にあり得ないのだよ。紫様に手をかけたのも貴様に違いない」
貴方「紫は生きている! 今はスキマから出られないだけだ」

直後に横殴りの大玉が銀翼を大きく薙ぎ払った。

藍「出鱈目を言うんじゃない! 紫様は……死んだんだ。式としての繋がりが切れた、あの頭の中で何かがプツリと切れたような忌々しい感覚を間違える筈がない」

語気が弱まった気がした。主の死を今でも受け入れられず目に涙を浮かべているようにも見える。だからこそ俺は真実を叫ばなくてはならない。

貴方「嘘なんかじゃない! 俺はさっき紫に会ってきたんだ。お前のことも話していたぞ」
藍「もっとマシな嘘をつけっ、このペテン師め! そもそもどうやって紫様の空間に入ったんだ!?」

それは……。ダメだ、うまく説明することができない。青娥の手によって無理やり時空跳躍をさせられた際にスキマの中に紛れ込んでしまっただなんて今の藍がとても信じるとは思えないのだ。主を失った怒りと悲しみで錯乱している今の彼女ならなおさらだ。

そもそも俺だってよりにもよってスキマの中に出てきた本当の理由は分からない。これが紫に固執し続けた青娥の無意識がそうさせたらしいという推測は出来ても、根拠などどこにもないからだ。

藍「全く話にならん。しかし今は霊夢の治療が最優先。おい、お前にも尋問する。一緒に来い!」

一通りアールバイパーをボコボコにすると霊夢と霖之助を抱えていずこかへと飛んで行ってしまった。やはり未来から来たことや「石のような物体」の話をしても誰にも信じてもらえないのだろう。藍の場合は顕著だったが、おそらくは他の相手にもまともに通じるとは思えない。

貴方「青娥だけじゃなくて藍までも相手しないといけないのかよ……」

とても一人で背負いきれるようなものではない。そもそも動けなくなったアールバイパーでは俺は何もできない。

なんとかにとりに救援を求めるしかないな……。しかし宝塔型通信機に救援要請してもなかなか反応がない。このまま日が暮れてしまったらどうしよう? とりあえずあの香霖堂に身を隠す他ないのだろうか。

そうボンヤリと思考を巡らせていると、耳障りな嗄れ声が聞こえてきた。

???「キヒヒヒヒ。無様なものだな、銀翼の末裔よォ」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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