俺を見下ろしているのは団子状の触手を2本生やした脳味噌の怪物。バクテリアン軍残党の「ゴーレム」であった。

ゴーレム「理由は分からんが、とにかくいい気味だぜ。ザマァ見やがれ、ヒヒヒヒ」

悔しいが今は言われたい放題しておこう。奴のすることなどお見通しだ。手負いの俺に引導を渡しにかかる。そういうわけでゴーレムの死角でコンパクを妖夢の姿に変じさせて待機させる。

だが、一通り罵って満足したのか、奴はもぬけの殻となった香霖堂へ入っていこうとする。あれ? アイツのことだから俺にトドメを刺そうとしてくると思ったのに。

戦意がないことを確認すると、コンパクに戦闘態勢を解かせた。

貴方「なんだ? 俺を殺さないのか?」
ゴーレム「今はそれよりも腹が減っちまってひもじいのだよ。俺様も日々の生活があるからな。ちょいと『持ってるところ』から『持ってないところ』にだな……」

要は無人の香霖堂で泥棒を働こうということらしい。かつては幻想郷征服なんてデカイ目的掲げてたのに今ではすっかりコソ泥である。

適当な食べ物を見つけてきたのか、行儀悪く一気にかきこみながら話を続けてくる。

ゴーレム「それによ、モグモグ……俺様は皆が見てる中で完全な状態の銀翼の末裔を叩き落としたいのよ。ガツガツ……『テメーらに希望なんてねえぞ!』ってのを分からせるためにな。ムシャムシャ……そうしたらゴーファー様も喜びのあまり復活なさるかもしれないってわけよ。パクパク……グビグビ……MGMG……」

あっという間に平らげると満腹になったのか、ため息一つ。

ゴーレム「今ここで殺っちまうのは簡単だ。だけど、テメーとはちゃんとした形で決着をつけたい。万全のバクテリアン軍とテメーら超時空戦闘機&その取り巻きみたいなのな。その方がお前らを絶望に叩き込めるし、何より俺様が楽しい。ほらよ、お前も何か食え」

そう言って手渡してきたのはアンパンであった。霖之助さんがおやつにとっておいたやつだろうか?

後で料金は支払いに行こう。そう心に決めて俺はそれを受け取りかぶりついた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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