口の中に餡子の甘い香りが広がる。それにしてもゴーレムものんびりと横たわっており非常に奇妙な光景である。
貴方「まあでもそこは外道のバクテリアンなんだな。俺たちを絶望の底に叩き落すのが楽しいだなんて」
ゴーレム「あー、その話なんだがな……。ああやって全力でオメーらと戦うってのそのものが楽しいんだコレが。ここ最近は全然暴れられなかったからな」
卑怯で小悪党なだけと思っていたが、彼にも色々と思うところがあるらしい。そのままゴーレムはもう一つのアンパンにかじりつきながら続ける。
ゴーレム「ここ幻想郷でも相変わらず銀翼に勝てないし、それどころか小さい女の子にまで負けちゃうことも多いし、今じゃただのコソ泥で惨めだけど、ここ最近の俺様はなんだか生きてるなぁって実感が凄い湧くんだ。俺様にもよく分からないんだけどな、きっとゴーファー様も同じように考えてる」
俺はゴーファーが永遠亭を襲った時のことを思い出していた。そういえばアイツが幻想郷を支配しようとする理由を尋ねたら「この地で生きるため」だなんて答えていた気がする。
バクテリアンってのは俺が考えているほど暴力的な奴ではないのかもしれない。いや、戦うのが楽しいと言ってるから戦闘狂ではあるんだろうが。
貴方「なあ、そんな幻想郷征服なんて物騒なことしなくてもお前達の願いは叶えられるんじゃないか?」
俺は豊穣の女神と仲良くなったブラスターキャノンコアや、魔界でレストランを経営していたテトランのことを話した。
ゴーレム「みんな上手くやってるんだな。んだけど誰もがゴーファー様の復活を待ち望んでいるはずだし、号令がかかればきっと幻想郷征服にかかるさ。何せ、我らバクテリアンはテメーらの欲望から生まれたんだからな!」
それだけ口にするとゴーレムは香霖堂の瓦礫の山から何から機械のパーツらしきものを取り出す。
ゴーレム「なんかお前と色々話すのも楽しいな。とりあえずお家に帰って修理してきな。このロケットっぽいのを使えば飛ぶくらいならできるだろう」
それだけ口にすると大破したアールバイパーの無理やり括り付けてしまった。
貴方「お前はこの後どうするんだよ?」
ゴーレム「散り散りになった仲間を集めて新生バクテリアン軍を結成するぞ。いいか銀翼の末裔、今度会うときはまた敵同士だ。幻想郷の住民の前で叩き落して絶望させてやるから、それまでにくたばるんじゃないぞ!」
ビシと触手をこちらに向けながら口早に喋ると、ゴーレムは香霖堂から飛び出して行ってしまった。
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら