(その頃迷いの竹林では……)
人間も妖怪も惑わすそびえ立つ青々とした竹。このような場所に好き好んで入り込むような者はそうそういない。その地面の下に隠した首領蜂隊の飛行空母ならなおさらである。
そんな人の寄り付かない魔境に白い長髪をオールバックをした厳つい軍人と彼に付き添うはこのあたりを警備させてるキョンシーたちを使役している女性であった。
青娥「ねえゴットヴィーン、わたくしの『
産土神黄輝ノ塊
』も、だいぶ力を取り戻しつつありますわ。それに、邪魔者の巫女と賢者もわたくしが仕留めた。今こそ本格的に素敵な『計画』を次の段階に進めるべきでは?」
大柄でガッチリとした男に寄りかかるようと、性悪女はこう囁く。その姿はまるで傾国の美女といったところか。しかし彼はそこらの軍人とはわけが違った。何せ少数精鋭の戦闘部隊「首領蜂隊」をまとめ上げる大佐「ゴットヴィーン・ロンゲーナー」なのだから。
ロンゲーナー大佐「うむ、邪魔者が居なくなったところでココから我々で新たな秩序を築く……と、言いたいところだが、懸念点がある」
これだけ妖艶な美女にしだれかかられているにも関わらず、険しい表情を崩さない大佐。不思議そうな表情を見せる青娥に向けて、大佐はさらに続けた。
ロンゲーナー大佐「時空の微細な乱れだ。何者かがこの時空に移動してきたらしい。そういう痕跡を感知した。奴が何者なのか、どの時空から移動したのか、何の目的で時空跳躍をしたのかをハッキリさせておきたい」
時空の跳躍、その言葉に青娥の表情が曇る。
青娥「それは過去から未来へ? それとも未来から過去?」
ロンゲーナー大佐「まだ分からぬ。今は部下に解析をさせている」
過去から未来というのならば十六夜咲夜が自らの時間を一時的に止める(または時の流れを著しく遅くする)ことで疑似的にそれを行うことができるだろう。だが、彼女の能力では未来から過去への跳躍は出来ない。
青娥「まさか……!?」
彼女の脳裏に浮かんだのは銀翼の姿。まだ確定ではないとはいえ「超時空戦闘機」と名乗るあの戦闘機の存在が非常に気になってくる。
青娥「少し心当たりがありますわ。調べてくる」
焦りながらもフワフワと竹林を後にした青娥。本当に未来で何かあってこの時空にやってきたのか、それを調べるため……。
銀翼と妖怪寺Re:∀CT IIに続く……
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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