おずおずと残骸の影から姿を現すとうずくまるゴーレムに俺はゆっくりと近づく。

貴方「なあ……」
ゴーレム「なんだよ、殺すんならさっさと済ませやがれ!」

そんなつもりなど毛頭なく、しばらく沈黙が続く。

ゴーレム「それともアレか? この俺様を笑ってやろうっていうのか!? 見ての通りバクテリアン戦艦はほとんどあの変なピエロ野郎に持ってかれちまった。もう策も兵もねぇんだよ。これじゃあ俺様の方がピエロだ!」
貴方「香霖堂で色々助けてもらった恩くらいは返そうと思ってな。奴らのいる『月の都』は俺の目的地でもある。あいつらを助けてやりたいんだろ?」

俺一人ではクラウンピースの、そして純狐の軍勢にとても太刀打ちできない。月面戦争に首領蜂隊が絡む前に別の軍勢を味方につける必要があるだろう。バクテリアンの目的はあくまで幻想郷征服。破壊まではしない筈だ。

このままでは首領蜂隊の、ひいては青娥の介入を許してしまう。もしもそうなってしまえば訪れるのは幻想郷の崩壊だ。

ゴーレム「はんっ、バカ言うんじゃねーぞ! 俺様がよりにもよって銀翼の末裔と組めっていうのか?」
貴方「お前が要求を飲まないのなら、幻想郷は崩壊する運命だ。俺はそこに居合わせていたから分かる。お前らバクテリアンにとっても征服するべき世界がなくなるのは本望ではない筈だが?」

目を見開くゴーレム。アールバイパーが時空跳躍機能を持っているらしいことも知っているようだ。さすがは宿敵である。

ゴーレム「お前まさか……!? そうか、過去からやり直そうってことか。いいだろう、幻想郷征服の足掛かりとして貴様を存分にコキ使ってやる。せいぜい過労死しないように気を付けるんだな、ヒヒヒ」

お前もな。俺にとっても意外な展開だったが目的が一致したのだ、手を組んでおくのも悪くはない。

サグメ「(ねえ、あの脳味噌お化け、大丈夫なの?)」
貴方「アレで意外と悪い奴じゃないんだよ……たぶん」

不安要素しかないが、それでも最悪の結末を回避するために俺は奮闘しなくては!



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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