ピシャリと開かれた扉、そこにいたのは長身で白髪の女性である八意永琳と……何っ、霊夢でも藍でもない!?

九尾の狐と息も絶え絶えの巫女がここにいると思っていたのだが、その目論見は大きく外れることとなった。永琳が話し込んでいた客の正体は月の民であったのだ。大きな白い片翼を持った少女。あの特徴的な見た目を見間違えるはずがない。

貴方「サグメ……?」

深刻な面持ちで永琳と話していたのはサグメであった。俺は思わず彼女の名前を口走ってしまったが、当然あちらのサグメは俺のことなど知らない筈だ。

サグメ「……誰なの、この野蛮な地上人は?」

当然のように冷たい反応。慌てた永琳が何とかこの場を取り繕おうと俺を部屋の入口へとやんわりと押しやる。

永琳「何か急用があるみたいだけど、今は立て込んでるから後にするかウドンゲに伝えるかのどっちかにして頂戴」

つまみ出されそうになる俺を冷めた目でサグメがじーっと見ている。そうだ、サグメがシーマ艦に襲われたところを助けたり、その時に負った傷の治療をした……そんな記憶も今の彼女にはない筈なのだ。そう今の彼女には……。

いや、そんなこと言っている場合じゃない! サグメが困り果てて地上に降りてきてまで救援を求めるような事態など一つしか考えつかない。シーマだ、シーマが月の都を……!

貴方「待ってくれ! 確かに俺は月の民から見たら野蛮かもしれないが、腕っぷしには多少の自信はある。あんたらみたいな穢れを嫌う月の民がわざわざ穢れまみれの地上(こっち)に来るくらいだ。何があったんだ? 俺にも何か手伝わせてほしい」

しかし俺が焦れば焦るほどサグメはその視線をより冷徹にしていく。

サグメ「本当に野蛮な人……。これが地上人なの?」

困り果てる俺の様子を見ていた永琳は今度は俺の方を持つようになる。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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