永琳「うーん……。確かに彼を連れて行くのもそこまで悪くはない選択肢だと思うわ。私もね、昔あの子に助けられたことがあるのよ。外の世界からやってきた恐ろしい侵略者の魔の手からね。どうする? 相手が何者なのかよくわからないのでしょう?」

バクテリアン異変のことを思い出したのか、永琳はその時の話をサグメに聞かせる。

サグメ「……分かった、八意様が信頼を寄せる男ということは少しは腕が立つようね」

永琳のお墨付きで見違えるように俺への対応が変わる。本当に永琳は月の住民達に慕われているようだ。

その後俺はサグメから月の都の現状の話を聞いた。……やはりそうだ、奇妙な機械の魚が月の都の上空で集結し始めているというもの。間違いなく「シーマ」だろう。奴らが月の都に牙をむけばひとたまりもないのは俺も知っている。だが、シーマの本来の目的は月ではなく地上への攻撃だったはず。

貴方「心を狂わせたり洗脳したりするような奴は近くにいなかったか?」
サグメ「この辺りで思い当たる奴といえば純狐と奴の友人が従えてる地獄の妖精くらいだが、今のところ表立った動きは見られない」

ビンゴだ。あそこで集められたシーマは幻想郷を攻撃するために用意されたものだ。そして地上の首領蜂隊が奴らを迎撃して信頼を得て、さらにシーマの攻撃にさらされて生き残った精鋭部隊が誕生するという筋書きだ。それが首領蜂隊のやり方なのだから。

サグメ「今のところこちらに攻撃する気配はないが、もしも奴らと戦争することになったら我々では太刀打ちできないかもしれない」

それは大丈夫だ。奴らが月の都を襲ったのはクラウンピースが関与したからだ。

貴方「分かった、俺が海洋生物型戦艦の調査をし、必要とあれば交戦して撃沈させる。月の都の軍は俺の戦いを邪魔する存在から俺を守ってほしい。俺の勘だとあの戦艦に興味を持って接近する別の敵が現れる筈だ」

あの時のジ・エンブリオンの言葉によれば俺……いや、俺のアールバイパーにも興味を持っていた筈。俺達が無害だと分かれば彼女は俺のいる地上を攻撃対象には出来ない筈だ。

サグメ「ですが八意様、本当にこの人で大丈夫なのでしょうか? 随分と好戦的な性格に見えるのですが……。変な風に機械の魚達を刺激して余計な戦いを引き起こしたりする心配が……」
永琳「そこまで心配なら一緒についていってあげてはどう?」

この発想には二人して大声を上げてしまった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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