俺と同行することにサグメはこれまでにない程に嫌悪感を示している。言葉にこそしていないが、その眉間に寄った皴が全てを物語っていた。

永琳「それじゃあ言い方を変えましょうか? コホン……『月に迫るかつてない脅威、これを退けるカギは野蛮で好戦的な地上人の○○が握っている。月の民である稀神サグメはこの地上人を監視し、脅威を退ける様子を見届け、必要とあれば援護せよ』」
サグメ「仰せのままに、八意様」

反射的に跪いていた。対応の違いに俺はやりきれなさを感じる。とはいえ、こうなった以上サグメはこの作戦を遂行する仲間だ。握手の一つでもしておいた方がいいだろう。

貴方「月の都に被害を出さないよう俺も尽力する。サグメ、よろしく頼むぞ」

右手を差し出し握手を求めるが、彼女はなかなか応じようとしない。そんな片翼の少女に永琳が視線を向けると、しぶしぶと右手を差し出してきた。俺はガッチリとその手を握る。柔らかなきめ細かい手をしていた。

サグメ「……よろしく」

これは少しずつ信頼を得ていくしかなさそうだ。さて、そういうわけで月面に向かいたいが、あいにくアールバイパー単体では大気圏を突破することができない。推進力は十分なのだが、ボディが摩擦熱にやられてしまうのだ。俺はそのことを永琳に話した。

案の定、彼女が紹介したのは「槐安通路」。夢の世界を通じて月の都に向かうというものであった。

貴方「そうなりますね……。ありがとうございます、えいり……八意様」

サグメに睨まれた気がしたので、彼女に倣い俺も八意様と呼んだ。

永遠亭を出るとサグメを乗せて銀翼を発進させる。目指すは妖怪の山にある「槐安通路」の入口だ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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