今も静かで真っ暗な山の麓。見上げるとその頂上のさらに上に満月が浮かび上がっている。今は大体の獣も眠りについているのだろう。人はもちろん、獣も妖怪も寝静まっており生物の気配がまるで見られない。

サグメ「○○、聞きたいことがある。どうしてお前みたいな人間が八意様と顔見知りなんだ? いったい彼女をどう助けたというのだ?」

これはサグメなりに俺に歩み寄ろうとしているのかもしれない。ここは正直に答えるとしよう。

貴方「今回と同じで、永遠亭が『バクテリアン』という外界の侵略者に狙われたことがあるんだ。俺も元々は外の世界の人間だったから、奴らの正体も弱点も分かった。あとはこの俺の相棒たる銀の翼と共に侵略者どもを撃退したんだ」

鬱蒼とした樹海は真夜中ということもありさらに陰鬱な空気を醸し出している。そろそろ抜ける頃だろうか?

貴方「えい……八意様が俺をまた頼ったのは、奴らとは別の外の世界の侵略者の可能性があるから。そして俺が思うに、奴ら永遠亭を襲った侵略者よりもずっと月の都にとってより大きな脅威になるだろう。何せ、あの海洋生物型機械生命体の名前は『シーマ』。惑星アムネリアの言語で……」
???「ははぁん、俺様も随分と下に見られたものだな。ヒヒヒ」

突然話に割って入ってきたのはしゃがれた甲高い声。この声を聞き間違うはずがない。奴は……!

貴方「噂をすればヒョコヒョコとおいでなすったか、バクテリアン軍残党の『ゴーレム』!」

暗闇で一つ目がギラリと光る。目を凝らしてみるとその周囲にボンヤリと触手の生えた脳味噌の姿が浮かび上がってきた。魔力レーダーにはゴーレム以外にも奴の仲間らしき反応が複数みられる。

ゴーレム「ほほう、すっかり機体の調子も戻ったようじゃねぇか。それに……中には幻想郷の少女もいると見た。言った筈だよなぁ、次会ったときは敵同士だって。絶望を胸に刻みながら死んじまいなぁ、銀翼の末裔っ!!」

触手を突き出し、そこから細いレーザーを撃ち出してくる。この面倒くさい時にこんな奴に構っている暇はない。ここはオプションを総動員して軽くひねってやろう。

貴方「ネメシス、コンパク、ゆっくり霊夢! 一気に決めるぞ」

しかし俺は気が付かなかった。オプションを展開した俺を見てほくそ笑むゴーレムの目に、そして奴の引き連れている仲間の正体に。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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