なんか永琳の名前を借りてるだけな気がして釈然とはしないが、事態が良い方向へ転じるのであればそれでいい。
依姫「くっ、何故ただの戦闘機乗りに従わなくてはいけないんだ……。だが、八意様の意向だというのなら仕方ない。敵戦艦への手出しは最小限にとどめるとしよう」
よし、決まりだ。俺はこのままサグメと共にシーマの親玉に会いに行く。ゴーレムとテトランが必死にバクテリアン戦艦に説得を試みる姿を尻目に、俺は大きく飛翔した。
魔力レーダーを頼りに集結しつつあるシーマの軍勢を探し出す。彼女の元にたどり着くにはもう少し時間がかかるようだ。はやる気持ちを抑え、俺は最高速度で宇宙空間を突き進む。
サグメ「○○、一つ聞きたいことがある」
唐突に背後にいる無口な少女から話しかけられ、俺は思わず驚きの声を漏らした。それでも無視するわけにもいかないので「どうした?」と応答する。
サグメ「貴方は確かに振る舞いが粗暴だが、我々を真剣に助けようとしている。それもなるべく血を流さない方法で。一体何が貴方を駆り立てているのだ?」
なるほど、サグメから、そして依姫からもあれだけ辛辣な言葉を投げかけられたというのに、どうして俺が月に味方しようとするのか、それが不思議でならないようだ。だけどそんなの決まりきった理由だ。月面戦争の勃発は幻想郷の滅亡を意味する。その凄惨たる光景、それを俺は知っているからだ。
あの運命をなんとしても回避しなくてはならない。あの気丈なサグメが弱り切って助けを求めるような戦争を起こしては、あの美しい幻想郷を崩壊に導くような戦争を起こしては……ならないからだ。
貴方「このままでは幻想郷は崩壊の運命を迎える。俺は幻想郷の終焉を見てしまった。だからやり直しに来たんだ。今度は誰にも悲しい思いをさせない。その第一歩として月の都で血は流させない。味方も……そして敵ですらも!」
振り向かずに俺は一つ一つ言葉をかみしめていく。俺はどんな顔をしていたのだろう? サグメはどんな反応を示していたのだろう? ただただ前をじっと見つめる俺にはそれは分からなかった。
間もなく遠方にポツンと青いクリオネらしき影が見えてきた。最高速度で俺はシーマの中枢へと急接近する……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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