藍に思いきり押されて僕は思わずよろめいてしまう。

藍「ダメだ道具屋。万が一の事態になったら非常に困る。だから今はゆっくりと寝かせてやるんだ」
霖之助「一言声をかけるだけだ。そこまで言うのなら置手紙はどうだ? これなら霊夢を起こすこともない」

ところが藍はそれすらも否定するのだ。意味が分からない。まるで僕を霊夢から引き離そうとしている意図すら透けて見えるようであった。

霖之助「なぜ手紙すら許してくれないんだ? 手紙なら意識が回復してからじっくり読めばいいだけじゃないか」
藍「さあ、これ以上は蓮子の体に障る。そもそも年端もいかぬ下着姿の少女のいる部屋にいつまで居座っているつもりだ!」

このまま僕を部屋から追い出そうとする。納得のいかない僕はそれでも抵抗して押し返すのだがやはり相手は九尾の狐。僕なんかが叶う相手ではなく、押し倒されてしまった。

藍「観念するんだ道具屋。今は一人で眠らせてあげようではないか」

ぐう、やはり僕に荒事は向いていない。こうやって組み伏せられてしまっては抵抗が出来ない。

霖之助「分かった、分かったから乱暴はよしてくれ。霊夢……いや、蓮子との面会は後日行うことにする」

諦めた旨を藍に伝えると、僕はようやく立ち上がることが出来た。だが、今の騒ぎで下着姿の少女が目を覚ましてしまったようだ。ベッドから体を起こした彼女は……恐怖にひきつった表情を見せていた。

霊夢?「バ、バケモノ……。狐のバケモノ!」

驚きのあまり硬直していた彼女はその直後に金切り声を上げて周囲の物という物を藍に投げつけてくる。

藍「いたたた、私は君の味方だ。だから落ち着いてくれ!」
霊夢?「いやぁっ! メリー、メリーはどこにいるのっ!?」

見境なく物を投げつけてくる彼女はもはや手が付けられない。これは避難するべきと踵を返した瞬間、後頭部に強烈な衝撃が走る。どうやら「流れ弾」に当たってしまったようだ。凄まじい衝撃は僕の意識を途切れさせるには十分すぎる威力を誇っていた。

薄れゆく意識の中、どうして霊夢が外来人の蓮子と呼ばれていたのか、藍を見て半狂乱になったのかを思索していた。

もしや藍のことを覚えていないのだろうか? やはり大怪我のショックで記憶がなくなったのか……?

それでは藍が呪術で行おうとしていたのは破壊された霊夢の記憶を復元するもの……?



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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