薄い黄金色の地表がみるみる近づいていく。脳裏には侵略者に蹂躙されてボロボロになった月の都の姿が浮かび、思わず顔をしかめてしまう。しかし……。

貴方「変だな、静かすぎる」

今頃バクテリアン戦艦が月の軍隊と戦いを繰り広げている筈だというのに、そのような気配が全くないのだ。周囲が荒らされている形跡すらなくもしかして俺たちがクラウンピース達を追い抜いてしまったのではないかとさえ思えてきた。

ゴーレム「いや、いるぞ。あそこに俺様の同志が!」

ゴーレムの触手が指さす先、そこには筒のような形をしたバクテリアン戦艦「デス」の姿が確認できた。しかし俺がその姿を視認した矢先、刀による一閃で縦から真っ二つにされ、爆散してしまった。

ゴーレム「ノォォォォォォ!!!」

俺はあの太刀筋を見たことがある。その気になればバイド戦艦すら真っ二つにしてしまう月の都きっての剣士……。

貴方「依姫だっ。依姫が戦っている!」

ポニーテールを揺らして迫りくるバクテリアン戦艦を叩ききっているのは綿月姉妹の妹の方。シーマすら倒せる彼女だ。バクテリアンの小型戦艦程度なら敵ではないのだろう。彼女の下にはガレキと化したゴーレムの同志たちがゴロゴロと転がっている。

こちらの声に気が付いたのか、抜身の刀を手にしたまま俺とゴーレムを捕捉し始める。これは敵意しか向いていないな。

依姫「貴様が侵略者のボスか?」
貴方「いやいや、違うってば! 俺達も月の都に平穏をもたらすためにはるばる地上からやってきたんだ」

興味なさげに「ふーん」と軽く口にしつつ、刀を構え始める。あれは明らかにこちらのことを信用していないぞ。それもその筈、今月の都を襲っているバクテリアンの同胞たる脳味噌の怪物を俺は連れているのだから。

依姫「そんな脳味噌の化け物を連れて……ですか? もっとまともな嘘をつきなさい」
貴方「嘘じゃない! こいつらは操られているだけだ。ゴーレムは操られた仲間を取り戻しに来たんだよ」

ちくしょう、全く信用していないぞアレは。依姫とやり合うなんて命がいくつあっても足りない。

貴方「逃げるぞ! 月の住民と潰し合いをしている暇はないんだ」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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