左右のブースターから赤い炎が絶え間なく噴射されている。僕はその上に乗っかって信じられない速度で竹林を進んでいた。

ブーストコア「えっと、香霖堂の霖之助さんですよね?」

だがそれ以上に信じられない事は僕を乗せている大柄な機械が異様に腰の低い物腰で語り掛けてきたことだった。そのあまりのギャップに驚き戸惑いながらも僕は肯定した。だけどいったいどうしたというのだろう?

ブーストコア「その……ゴーレム様のことを、ひいては僕達バクテリアンのこと、どうか大目に見てほしいんです。言いづらいんですが最初の侵略に失敗した時にすっかりスカンピンになってしまってその、悪いことだとはわかっていたんですが、お店に誰もいないことをいいことに……」

ははーん、食うに困って人様の店でコソ泥ってところか。本来なら鉄拳制裁ものだが僕もこうやって無償で命を助けてもらった身。ううむこれでは怒るに怒れないぞ。

霖之助「あの金にがめつそうなコソ泥脳味噌がタダで仕事を引き受けるのはおかしいと思ったがそういうことか……。まあ命には代えられない。今回は大目に見るとするよ」

とはいったものの、ゴーレムも大丈夫だろうか? 見たところあちらだって万全の状態とは思えずその表情から疲弊の色がまるで隠しきれていなかった。

いや、アイツらが心配というわけではないのだが、そう考えずにはいられない僕なのであった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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