九尾の狐に組み伏せられて今もギチギチとその身を締め上げられている僕。あまりに意外な光景に魔理沙も驚きの余り口を開いたままである。
魔理沙「こんな妙な奴等がウヨウヨいるのに霊夢は全く動こうとしていない。そのことだっておかしいのに今度は藍にとっ捕まってる香霖……。いったい何がどうなってるんだ!?」
霖之助「異変だ、異変が起きている……!」
口封じをさせようと藍はさらに腕を締め上げてくる。痛みに悲鳴を上げつつも意識を途切れさせてはいけない。
霖之助「外界から押し寄せた数多の侵略者たちが妖怪賢者たる紫を亡き者にした。そして霊夢は……」
藍「それ以上言うと首の骨をへし折るぞ!」
警告の意味をなさない警告。そう叫んだ直後から僕の首が向いてはいけない方向へと強烈に曲げられようとしていく。こいつ、口封じのために僕を本当に殺すつもりだ……。
霖之助「霊夢、は……」
駄目だ、声が出ない……!
もはやこれまでと思った矢先、僕は突然この苦痛から解放された。頭上からは鮮血がしたたり落ちる。僕に藍をどうこうする手段はない。では一体何が……?
橙「シャー! フギャギャミャシャー!!」
信じられないが、あの橙が藍の顔に飛び掛かり思いっきり引っ掻いたのだ。悲鳴を上げて顔を押さえる藍。僕を押さえつける力が弱まった。今しかないっ!
最後の力を振り絞り魔理沙の足元に這い出るとあらん限りの声で叫ぶ。
霖之助「霊夢は生きているっ! だけど出てこれない理由があるんだっ。あの子は今……」
何処まで僕は言葉を紡げたのだろう? 全力で今僕の知っていることを口早に告げたのだが喉を藍に踏みつけられてしまいまた声が押し殺されてしまう。
魔理沙、どうか霊夢のことを助けてやって……く……れ……
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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