脳味噌に不自然についた目玉。明らかに急所に見える場所だ。だが、奴は残された触手を使って弾を掴んで見せたのだ。

今もあちこちに切り傷を作りながらも急所への直撃だけは避け切っていた。

ゴーレム「どっちが侵略者だよ! テトランもブラスターキャノンコアも慎ましく自分の生き方を見つけて幻想郷と共に生きる道を選んでたというのに! 俺様はそのレイムって奴もユカリって奴も殺した覚えはないぞ!」

おいおい、待てよ。霊夢も紫もおっ死んじまったのか? いや、香霖は霊夢は生きているとも言っていた……けど博麗の巫女はもういないとも言っていた。いったいどれが正しいんだよ!?

魔理沙「おい、聞き捨てならない話じゃないか。もっと詳しく話させてもらうぜ」

八卦炉を向けて臨戦態勢。対する藍も九尾をそれぞれ違う速度で激しく揺らしながら威圧的に立ちはだかる。まるで憤怒に燃え滾る炎のようにも見えた。

藍「何も知らなければ平穏無事に過ごせたというのに……。そうだ、霊夢も紫様ももはやこの世にはいない。これもすべて幻想郷を存続させるためだ。それまでにいらぬ混乱を生み出すわけにはいかない」

仕掛けてくるぞっ! あの様子だと手加減をするそぶりもない。くそっ、何が幻想郷の為なんだよ。訳が分からない。

藍「魔理沙、お前に恨みはないが……その口は封じさせてもらうぞ」

それにここでドンパチおっぱじめたらここで眠りこけてる香霖はどうなる? コイツを庇いながら九尾とやり合うなんてのはさすがの私でも無謀だ。

どうする……?

そんな風に躊躇う私に投げかけられたのは、しわがれた声。あの脳味噌のバクテリアンのものであった。

ゴーレム「ここは俺様が引き受ける。だからテメーはそこの道具屋を連れて逃げろ!」

とにかく香霖をこのままにするわけにはいかない。私はヨロヨロと彼の体を抱えると箒にまたがり竹林を後にした。

私の見立てだと、あの脳味噌の化物はあそこで敗れるだろう。それは本人にも分かっていたようで、だからこそあの叫びにはどこか悲壮感すら漂っていた。

霊夢の身に何が起きているのか、この幻想郷を揺るがす異変の正体は何なのか。

鍵は外の世界の住民と、そしてあの銀翼「アールバイパー」……。

魔理沙「命蓮寺……か」

確か私はあそこの住職に妙に気に入られていたよな。私が求めれば惜しげもなく協力してくれるだろう。何がどう繋がってくるか分からないが、私はあの妖怪だらけの寺の勢力を頼ることにした。


銀翼と妖怪寺Re:∀CT Vに続く……

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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