(その頃、月面……)

月の民が避難して静寂に包まれた市街地……。そこにいくつもの巨影がうごめいている。その触手を振り回し、やはり巨大な敵を拘束するテトランに、クリスタル状のキューブでかく乱しながら、やはり触手で敵を拘束するリザードコア……。

そしてそれらを指揮するのは……。

ゴーレム「よーし、死なない程度にぶん殴って目ェ覚まさせるぞ!」

ゴーファー亡き今、バクテリアン軍を使役する脳味噌の怪物「ゴーレム」であった。クラウンピースの光によって正気を失った戦艦をこうやって取り戻しつつあるのである。

依姫「それにしても感心した。本当に血を流さずに事態を解決できそうではないか」

万一の事態に備えて綿月の妹の方が身構えてはいるものの、その刀が振るわれることはほとんどなかった。ゴーレム指揮下の戦艦が増えると、さらに事態は収束へと向かっていく。

バニシングコア「ワガ、アルジ……ジュンコ……ジュン……? いやいや誰だそれは!? 俺達のリーダー、そんなのゴーファー様に決まっているだろう!」

両腕を大きく広げた戦艦「ブラスターキャノンコア」のレーザー砲を装甲に喰らい、多くのサーチライトを携えたバクテリアン戦艦「バニシングコア」も正気に戻る。

ゴーレム「随分と寝ぼけてたみたいじゃねーか。この辺だとオメーで最後みたいだ。ヒヒヒ」
バニシングコア「もっ、申し訳ございませんゴーレム様。それよりもあっちの海の方から今も洗脳されている我が同胞が……」

操られていた時のことをわずかに覚えていたらしく、月の裏側の「海」にゴーレムが解放するべき仲間がまだいることを告げる。

ゴーレム「ならば次に向かうべきはそこだな。バニシングコア、俺様達をそこまで案内しろ」

バクテリアン軍が進軍の準備を進める最中、それを止める声。それはバクテリアンではなく月の都の少女のものであった。

依姫「いや待つんだ。この忌々しい感覚は……奴も懲りないな。敵はバクテリアンだけじゃないわ。もっと邪悪でもっと強大な存在が接近しつつある。おい、隠れてないで出てこい!」

啖呵を切るポニーテールの少女。それに呼応するかのようにやはり女性の含み笑いがこだまし始める。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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