(その頃、月の都上空……)
ゾロゾロとシーマ艦が付いてくる中、俺は祈るように月面へと向かう。出来るだけ戦火が小さく収まりますように……と。不安を駆り立てるのはそれだけが理由ではない。果たしてシーマは何をもってして文明を破壊しようとするのか、その判断基準がイマイチ分からないのだ。
少なくとも会話のできる存在であることは分かった。あとは出来るだけジ・エンブリオンを刺激させずにこの争いを収束させるかだ。
月面がみるみる近づいてくると、あちこちで爆風が吹きすさんでいるのが見える。どうやら市街地からは離れているようだが、すでに戦火の花があちこちで咲き乱れているのだ。
ギリリと俺は歯を食いしばりながらチラリと後ろに目をやる。今も不安げな表情を浮かべるサグメと不気味な沈黙を続けるクリオネの姿が見えた。特に動きはないようだが、この後どうなるのかが分からない。
貴方「試されて……いるな」
この戦争をいち早く終わらせる方法は簡単だ。クラウンピースの松明を無力化させてしまえばいい。そうすればあのピエロについたバクテリアン戦艦も正気を取り戻すだろうし、おそらくはその後ろに控えているであろう純狐は依姫が相手してくれる。穢れを嫌う月の民とはいえ、その穢れの象徴たる妖精さえ無力化してしまえばあとは大丈夫だろう。
貴方「何をするべきかは分かり切ってるんだ。落ち着け、落ち着け……!」
そしてついに月面に降り立った。俺の思惑通り、純狐と依姫が対峙しているようだ。こっちの戦いは俺には手に負えない代物。だが、あっちの妖精、それも弱点さえ分かっていれば……!
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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