しかも月の裏側ということで眼下には広大な海が広がっている。それならば奴に気づかれないように海中に潜んで……。
波の音に紛れ、銀翼をチャプンと着水させる。普通の航空機ならこんな芸当は絶対に無理なのだが、アールバイパーなら何の問題もない。水中、それも深海だろうが問題なく運用できるのだから。
暗い水の中、魔力レーダーを頼りにクラウンピースの場所を確認。そして静かに逆回転リフレックスリングを展開。この回転力で海水をリングの中に留め、水面から飛び出した瞬間にコイツをクラウンピースにぶつける。
松明の炎さえなければただの妖精だ。意を決して俺は思いきり水面から飛び上がった。
貴方「いただきだっ!」
ザバッと水しぶきを上げて、奴の背後から水の塊をぶつける。果たして俺の思惑通りに大量の水を被ってしまう地獄のピエロ。当然手にしていた松明も無事なはずはなく、鎮火。
クラウンピース「しまっ……」
馬鹿め、こういうリスクがあることにも気づかなかったのか。やはり力はあれどオツムは妖精のそれということだろう。もちろんそれだけでは終わらせず、即座にリフレックスリングでこの不届き者をふん捕まえる。ギャーギャーと耳障りな声で喚き立てるが、能力の使えない妖精など俺の敵ではない。
貴方「松明の炎は消えたぞ! さあ、目を覚ませバクテリアンども!!」
その瞬間、嘘のように静かになった。奴に操られていたバクテリアン戦艦は正気に戻り仲間で傷つけ合う必要がなくなったのだ。
ゴーレム「やったぞ銀翼の末裔! 俺様達バクテリアンの勝利だ!」
太い触手を片方だけ挙げてその拳を突き出して雄叫びを上げるはゴーレム。それに呼応するかのように数多の戦艦からも歓声が沸き起こった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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