後に残されたのはサグメと俺の手にする桃のお酒。どうやら豊姫とっておきの逸品のようで、確かに桃の甘い香りが鼻腔をくすぐっている。
口にしてみると驚くほど滑らかな舌触りで甘い中にもどこか酸っぱさを伴った非常に飲みやすいものであった。
貴方「これは美味い! サグメも少し飲むか?」
豊姫の残していった酒瓶を取ろうと立ち上がろうとしたが、足に力が入らずによろけてしまう。想像以上に強い酒だったらしい。そのままバランスを取り戻せず、俺はサグメの方に倒れこんでしまった。
サグメ「きゃっ!」
今までの状況を知らない人が今の俺達を見たら、まるで俺がサグメを押し倒したかのように見えるだろう。いや実際にも間違っちゃいないんだけどこれは事故だ!
どうにか体勢を立て直そうとするが、腕にも力が入らなくなっている。
サグメ「立てないの?」
貴方「ここまで強烈な度数だったとは……。甘い味で全く気付かなかった」
力の抜けた俺はそのままサグメにもたれかかるように倒れこむ。
サグメ「……やられた、こうなるように仕向けられたんだわ。元凶はどこか行っちゃったし」
放っておくわけにはいかないということで、このまま一緒に横になってもらっている。
貴方「すまないな、サグメ」
サグメ「貴方が謝ることではないわ。全部豊姫の仕業だし。○○もこんなにも高圧的な月の民に最後まで味方してくれたこと、感謝しているわ」
おもむろに我が身に暖かくフカフカな布団らしきものがかけられる。いや、布団ではなくサグメの羽であった。
サグメ「○○、ありがとね」
耳元でささやかれた声、それは聞こえるか聞こえないか分からない程に微かなものであった。もしかしたら酔いが回って幻聴でも聞いていたのかもしれない。
俺はこのままサグメに暖かく包まれながら眠りに落ちていった……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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