今もワナワナと震えの止まらない藍。拳をプルプル振るわせて、ようやく一声絞り出す。

藍「……たな?」

大粒の涙をこぼしながらこれ以上ない憤怒の面持ちで俺達を睨みつけ、そして怒号をぶつけてきた。

藍「誑かしたなっ、この三下ごときがっ! うちの橙に何を吹き込んだっ!? それとも今も洗脳しているのかっ!?」

今度は橙を守るようにゴーレムが藍の目の前にまで躍り出る。

ゴーレム「おい女狐、それ……本気で言ってるのか? だとしたらテメーは救いようのない大バカ者だぜ? 最近橙ちゃんとお話ししたか? オメーのやろうとしてることについて、ちゃんと話し合ったか? 今の橙ちゃんはな、自分で考えて、自分の意思でテメーに反旗を翻した、それだけだ。俺様は何にもしてない」

怒りに身を任せ、藍がゴーレムの目玉を鷲掴みにする。まるで胸倉でも掴むかのような勢いで。

藍「貴様ら外界の侵略者のせいだろうが! 幻想郷を、紫様の愛したこの楽園を散々蹂躙して今更知ったような口を利きやがって! 私は汚れきった幻想郷を一度リセットする。で、貴様らのような害虫のいない本当の楽園を一から創り直す!」
ゴーレム「それで飼い猫にもとうとう愛想を尽かされました……っと。今のオメー、最っ高にカッコ悪いぜ? 俺らだけじゃなくて幻想郷の住民にも見放された、まさに『裸の王様』だな!」

啖呵を切る刹那、藍はゴーレムを取り落としてしまう。何者かが藍の手を狙撃したらしい。振り向くとそこには「戦闘騎」にまたがる早苗と大きな注連縄を背負い、デンと構える神奈子の姿が見えた。

神奈子「山が騒がしいから何事かと様子を見てみれば……」
早苗「確かに外の世界にかかわる異変も頻発してますが、そんな全部リセットするなんて最終戦争的なやり方は許しません!」

浮遊する二人の下にはゆっくり霊夢がこの上ないドヤ顔を見せていた。どうやら藍がゴーレムに注意を向けてる隙に守矢神社に助けを求めたらしい。グッジョブだぜ、ゆっくり霊夢!



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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