なるほど、元々外来人だったのが紆余曲折を経て幻想郷に認められた彼女達にとっては藍のやり方は守矢神社への冒涜そのものである。
それに神奈子は外界の技術を用いて信仰心を集めていたのだ。藍の計画が成就したら奴の言うところの侵略者……つまりSTG世界の住民達は姿を消してしまう。そういった事態を止めないとならない理由がちゃんとあるのだ。
藍「ぐぬぬ……これ以上はさすがに不利か。まだ調整が不十分だが、やるしかない。ぬんぬぬぬぬ……!」
ゆらりゆらりと尻尾が揺れる。光をたたえながらゆっくりと、だが激しく揺れる。揺れるは狐の尾のみに非ず。妖怪の山をも大きく揺らす地震……いや、これは空気が揺れている。
貴方「なんだこのデタラメな魔力は!?」
魔力レーダーに表示されたバカでかい点。それで遠方からこの妖怪の山に接近しているようなのだ。唖然としている中でもそれはみるみる接近し、ついに目視できる距離にまで「それ」は迫ってきたのだ。
ゴーレム「なんじゃありゃ!? ゼロス要塞……にしては妙にちっちゃいな」
それは浮遊する「島」であった。幾重もの光の障壁に覆われた浮遊大陸。それが物言わぬ威圧感を発して俺達の目の前に現れたのだ。
ゴーレム「おいどういうこった女狐! いまさら切り札持ち出したとこで、オメーは既に四面楚歌。どうにもならないぜ、ヒヒヒヒ」
しわがれたやかましい声を浴びせられても藍は表情一つ変えていない。何か思いつめたような悲壮感すら漂っていた。
藍「もう……戻れないんだ。私も、この幻想郷も! 摩擦があることは想定していた。だから私は引き下がらない!」
次の瞬間、浮遊島を覆っていた光が一気に拡散した。光が、熱が、暴風が妖怪の山上空で吹き荒れる。
ゴーレム「なっ、バカな!? 俺様の体が……」
相当の熱量だったのか、隣にいた脳味噌の化物がドロリと溶け始める。ゴーレムだけではない。地面に転がっているバクテリアン戦艦の残骸までもが溶けているようだ。そして既にスクラップとなっていた残骸たちは驚くほど早く無に帰した。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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