藍「私も覚悟を決めた。いいだろう、全てを明かそう。
幻想郷を支配しようともくろむ侵略者どもの手によって紫様は死んだ。そして博麗の巫女も死んだ。今の博麗大結界を守る者はもはや存在しない」

天狗達があまりの発言にざわめいている。恐らく霊夢に関しては藍があの後、自らの手で殺めたのだろう。だが、紫はまだ生きている。今はスキマの中で戦いの傷を癒しているだけだ。

貴方「藍、何度も言わせるな! 紫は生きているんだ! 俺はアールバイパーの時空跳躍の事故でこの時代のスキマの中に迷い込んだ。そこで生きている紫と会話をしたんだぞ!」

銀翼の時空跳躍は紫にとっても禁じ手だ。だからこそアールバイパーの時空跳躍機能は封印されていた。それを使ったことはなるべく言いたくなかったが、藍に信じてもらうにはもう本当のことを話すしかない。

藍「もっとまともなウソをつけ! 私は確かに感じたんだ、紫様と式としての繋がりがプッツリ切れたあの感覚を。アレを間違える筈はない! それをどことも知れない外来人がタイムトラベルだなんて荒唐無稽なことを言って信じられるかっ!」

駄目だ、頑として聞き入れてくれない。あの調子ではこの時代の俺を連れてきて二人がかりで説得したところで認めてくれないだろう。「今度はどんなトリックを使ったんだ」と言い出して。

藍「そう、今の幻想郷は壊れかけだ。そこで私は侵略者に蹂躙されたこの古い幻想郷を完全に破壊して、新たな幻想郷を生み出すことにした。この浮遊島の中心にある八雲亭こそが新たなる幻想郷の核となるのだ!」

浮遊島と藍が高度を上げていく。どうやら撤退するようだ。

藍「新しい幻想郷は妖怪が妖怪らしく生きていける、紫様が愛したかつての幻想郷に負けない理想郷にすることを約束しよう!」

このようなセリフを残して。あんなのが理想郷になるもんか。幻想郷は残酷なまでに何でも受け入れるものだった筈だ。だからあんなのはまがい物。霊夢を殺してまで推し進めて生まれる新世界なんてのはユートピアなんかじゃない、藍の意向に反するものは排除されるディストピアだ。

青娥の野望も止めなくてはならないのに、今の一件で藍も完全に敵となってしまったようだ。ちくしょう、俺は一体どうすれば……?



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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