おかしい。八雲亭の場所が分からないぞ。確かこの辺りにあった筈なんだけどな……。

白蓮「魔理沙さん、場所は合っているのですか?」
魔理沙「ああ、前に博麗神社が宴会に使えなかったときに代わりにこっちで宴会開いてたことがあってな。その時に場所は覚えたつもりなんだが……」

ううむ、少し記憶が間違っていたかも。だが近くにあるのは確実だ。

魔理沙「こうなればちょっとかっ飛ばしてしらみつぶしにこの辺りを探してみる。住職サマはそこで待っててくれ」

私はそれだけ告げると目印もない寂しい平原をどこまでもどこまでもまっすぐに飛ぶ。

魔理沙「どこだ……どこにあったっけ……?」

しかし飛べども飛べどもそれらしきものは見えない。もしかしたら反対側にあるのかもしれない。一旦戻ってから反対側を同じように飛ぼう。そう思って振り向いたら私は驚愕のあまり箒からずり落ちそうになった。

魔理沙「なんで住職サマがここにいるんだよ!」
白蓮「ほへ?」

キョトンとした表情で首をかしげる住職サマがすぐ後ろにいるのだ。待ってて欲しいと言ったのについてきてしまったのか?

白蓮「いいえ、私はずっとここにいましたよ? 魔理沙さんが迷子になったら困りますからね」

なんだって!? それじゃあ私はかっ飛ばしていると自分で思い込んでただけで実際はほとんど移動出来てなかっただけなのか?

魔理沙「それじゃあ実は私はずっとここにいただけとか……?」
白蓮「はて、魔理沙さんはちゃんとここから移動して、それで戻ってきたのではないですか?」

えええっ? ますます訳が分からない。私は確かに長距離を移動した。だが戻ろうとしたら一瞬で元いた場所まで戻ってきた。まるでこの先に向かうことを拒まれているような、それでいて戻る時は一瞬で戻れるようになって……。

白蓮「もしや……! 魔理沙さん、危ないのでちょっと離れててください」

七色に光る巻物を取り出した住職サマは私を遠くに行くようにと促すと呪文の詠唱を始めた。彼女の右腕に巻物……魔人経巻っていうんだったか、とにかくあの巻物の独特な模様が浮かび上がっている。

白蓮「南無三っ!!」

そして拳が地面を思い切り叩いた。衝撃が一気に拡散し、私の髪の毛を一瞬だけ巻き上げた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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