そこには大怪我をして簡易的な手当てを済ませたのみのはたてが弱弱しく浮遊していたのだ。

貴方「はたて!」

手にしていたカメラは無事なようだが、恐らくはカメラを庇って自分が負傷してしまったのだろう。命よりも大事なカメラということか。

橙「最近の藍様はどこかおかしくてね。霊夢のことを話すとすっごく怒り出すの。最初はね、行方不明になったっていう霊夢の居場所さえ分かれば元の優しい藍様に戻ってくれると思って、私がはたてさんに念写のお願いをしたの。だけど……」

俺は負傷したはたてをアールバイパーに乗せる。その続きは彼女が話してくれた。

はたて「大変なことが分かったの。私の念写でね、とんでもないものを写してしまったのよ。霊夢を殺したのは八雲藍。その事実を……!」

はたては藍が妙な呪術で満身創痍の霊夢を亡き者としてしまったところ、そしてぐったりした霊夢を藍が周囲をキョロキョロ見回しながらどこかに運んでいく姿を念写してしまったらしい。

俺が霊夢を保護しようとしたのを必死になって止めた理由もそれか。奴が霊夢を殺そうとした理由までは分からないが、ロクな理由ではないことは確かだ。恐らくは紫に成り代わり幻想郷の支配者になるにあたり、霊夢が邪魔になりそうだから消した……とか。

つまりはたてはその能力を危険視されて藍に消されそうになった。彼女の負傷した姿が全てを物語っている。

このことは今もスキマに潜伏している紫も知っているのだろうか? 仮に知っていたとしても彼女が出てくる気配もない。幻想郷に残された皆でなんとかしろということらしい。

程なくして橙のものよりもずっと強力な魔力の反応が接近してきた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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