だがその部屋にいたのは記憶をなくした霊夢だけではなかったのだ。ところどころ服装がボロボロになっているものの、この特徴的な髪型は多少崩れていても見紛うことはない。

魔理沙「うげっ、邪仙かよ!」
白蓮「青娥さん……!?」

二人にとってはあまりに意外な来客。いや、来客ではないことは何となく二人にも察しがついていた。

青娥「あらまあ。二人とも、まるでオバケでも見ちゃったような反応ですわね。くすくす……」
白蓮「嘘……。貴女は○○さんの手によって葬られた筈。肉体をバラバラにされて……」

驚く二人に微笑むと、二人が平静さを取り戻す前に青娥の突き出した掌からまばゆい光が弾け飛ぶ。目くらましをした後で青娥は壁に簪で穴をあけると部屋から逃げだしていった。もちろん二人が追ってこれないように穴をふさぐのも欠かさない。

魔理沙「もしかしなくても何か企んでるだろ! 住職サマ、追いかけるぞ!」

そのまま魔理沙は何の躊躇もなくミニ八卦炉を構えると、マスタースパークを放つ。病室にでかでかと大穴が開いてしまった。

白蓮「もうっ! そんなことばかりしてるからいつもアリスさんが私に愚痴をこぼすのですよ! 『いくら頼んでも魔理沙がドアから家を訪ねてくれない』って」
魔理沙「今回は緊急事態だぜ? それに住職サマだって同じことを考えていたんじゃないか?」
白蓮「そ、それは……///」

図星を突かれて頬を赤らめる白蓮の手を魔理沙が引いて青娥を追いかけ始める。だが、すでに見失っていた。

魔理沙「ちくしょう、見失っちゃったぞ! だけどアイツ、なんで霊夢をさらっていったんだ?」
白蓮「理由までは分かりませんが、怪我人を連れているんですから、そう遠くへは行ける筈がありません。なのでこの辺りに隠れている筈です。手分けして探してみましょう!」

今は正当な手段にこだわっている場合ではない。そうひしひしと思い知らされる白蓮であった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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