多くの首領蜂隊の兵器が熱波にさらされ次々と蒸発していく。俺もこれ以上近づいたら危険な状態だ。今は橙に頼るほかない。

貴方「文は橙の援護に回ってくれ。俺は首領蜂隊の様子をうかがう」

また変なことをされてはたまったものではないし、月の都で敵対した青娥がまたしてもこちらにすり寄るのも奇妙だ。

藍は体を丸めるとくるり、くるりと回転をしつつ弾幕をまき散らしていく。橙もそれに対抗するように体を丸めると藍と真っ向からぶつかり合った。

橙「鬼神『飛翔毘沙門天』!」
藍「式神『憑依荼吉尼天』!」

恐らくは同じようなスペルなのだろうが、それを考えると橙の方が不利なのは明白だ。文は遠距離から藍を正確に射撃して妨害しているとはいえ、あのままではいずれ押し切られてしまうだろう。

ロンゲーナー大佐「熱波が止んだぞ! ゆけっ、今のうちに進軍すべし! 限界まで肉薄したら我が協力者たる青娥を内部に送り込む」

橙と文が稼いでくれた時間だ。……いや待て。青娥を中に入れるのはまずい! あの空飛ぶ八雲亭で何をしでかすか分からないからだ。もしも侵入するのなら俺も一緒に行かなくてはならない。

だが、その心配は杞憂に終わりそうだ。終始橙を圧倒している藍が回転しながらかつての部下を弾き飛ばすと、再び結界の内側へと入り込んでしまう。

貴方「まずいぞっ! また熱波が来るっ、退くんだ大佐っ!」

このままでは首領蜂隊も俺もひとたまりもないぞ。何としても熱波の拡散を止めない事には……ん?

貴方「いいや、大丈夫だ。今の奴はあの熱波を使うことが出来ない!」

迷いの竹林をひた進む空飛ぶ八雲亭は永遠亭の真上に到達していたのだ。あそこには外来人が入院している。うかつに外来人を排除することは出来ない筈。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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