ふと視線を下に向けると、見覚えのあるシルエットが視界に入る。銀色をした翼。間違いない、これは俺のアールバイパーだ。

貴方「そういう事か。確かに俺にとっての力は銀翼のものだった」

コクピットに乗り込むと、今度こそ弾幕をすり抜けて神奈子の目の前に躍り出る。

貴方「えええい!」

そのまま神奈子に体当たりを仕掛けた。やはりこれも幻影だったらしく俺の体の中に吸い込まれていった。相変わらず頭はくらくらだが、なんだか力がみなぎってくる。

何故なのかは分からないが、俺はここから全速力で離れなくてはいけない気がしてきた。いや、正しくは向かうべき道が見えたという事か。一直線にこの場を離れ、まるで銀翼は狂ったように凄まじい速度で突き進む。

貴方「そうだっ、行かなくちゃ。藍を止めなくてはっ……!」

この先には元の幻想郷があるのだろう。銀翼にはそれが分かっていたのかもしれない。そしてそれを意識してからベルサーの巨大戦艦が次々と現れて行く手を阻んでくる。

貴方「邪魔だっ、どけっ!」

シーラカンスやオウムガイの姿をした巨大戦艦はサンダーソードをぶちかまして次々と屠っていく。こいつらも幻なのだろうか? だが、体液なのかオイルなのか、赤黒い血液のような液体がアールバイパーにビッチリとこびりついてしまった。

それでもこの俺を引き留めんという勢いで次々と戦艦が目の前に現れる。

貴方「くそっ、いつになったら終わるんだよ!」

グレートシングのドリルミサイルを回避するために機体を宙返りさせたとき、俺はその答えを見た気がした。

敵にばかり気を取られて全く気付いていなかったが、高高度に見知った少女の姿が見えた。紫、幽々子、永琳、神奈子に続いて現れるであろう少女が……。

貴方「びゃく……れん……?」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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