目の前に広がったのは大きな玉座。そこには黄色い前掛けをした金髪の女性が頬杖をつきながら微睡んでいた。さらに玉座に近づくと、彼女はパチリと目を開く。そして客人である俺を威圧的に睨みつけてきた。

隠岐奈「まったく、あいつらがあまりに遅いから居眠りしてしまったわ。では改めて……我は秘神『摩多羅隠岐奈』。ほう、君があの○○か。私の友人がよく君のことを、そして銀翼のことを話していたのだよ」

やはり閻魔様ではないようだ。それでは俺は生きているということなのか? その思考をまるで読み取ったかのように彼女はさらに続けて見せた。少なくとも俺なんかよりもずっと格上の存在だ。

隠岐奈「君の生死か……。今の君は生と死の狭間を彷徨っている状態よ。あのままでは君は命を散らしていただろう。なので、ここまで連れてきた」

なんとも親切な神様で……。ならば猶更ここでこんなことをしている場合ではない。

貴方「俺を元の世界に戻してくれ! あのままじゃ幻想郷が滅茶苦茶になってしまう! 霊夢はすでにこの世にいない。だから俺が止めないといけないんだ!」

そう懇願するも、隠岐奈の表情は未だ険しいままである。一睨みされて俺は思わず足をすくませてしまう。

隠岐奈「その状態で戻って何になる? お前は負けたのだ。炎に焼かれて生きているとも死んでいるともとれる状態になっている。私がわざわざ手間をかけて拾った命だ。粗末に扱うことは許さぬ」

じゃあどうすればいいんだよ! 反射的に俺の口をついて出てきた言葉だ。不意に俺の頭上に影が差した気がした。

隠岐奈「状況は大体把握している。お前は外来人であるがゆえに幻想郷に殺された。お前が救おうとしているものは幻想郷だけではないな? ならば試練を受けなくてはならぬ。より幻想郷に受け入れられるように……」

頭上から何か大きなものが近づく気配を感じて俺は見上げてみる。俺めがけて開かれた扉が落ちてきたのだ。

貴方「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

そして気が付く頃には隠岐奈の姿がどこにも見えなくなった。試練って一体全体なんなんだよ!?



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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