(その頃、隠岐奈の扉の中……)
紫の幻影の前での問答が終わったかと思うと意識を失ってしまったが、どうやら再び覚醒したようだ。今度は大きな桜の木とその根元で魂と共に浮遊する少女の姿。
貴方「幽々子……いや、これも俺の記憶が生み出した幻影?」
まずは人ならざる美貌を持て。
人を魅了し、心を掌握するには、カリスマが不可欠。
それを得るには美貌は必要だ。
またしても隠岐奈の声が響く。んだけど美貌だって? それが今の異変と何が関係するのだろうか? ちょっと関連性が見えてこない。とりあえずあの幻影の幽々子に近づいてみよう。
恐らくはあの桜の木も幻影なのだろう。大きな樹の下で俺はどこかふんわりした印象を持つ少女と二人きりになる。どこからか頬を撫でる風も吹き、桜吹雪が舞い踊った。花びらはそのままヒラヒラと風に舞い、いつしか蝶の形となってどこかへと飛んでいってしまった。
そんな中で、幽々子は穏やかな笑みを浮かべていたが、どこか悲しげにも、そして儚げにも見えた。
貴方「美しさってのは弾幕美のことも指しているのか?」
かつて幽々子と弾幕決闘をした日のことを思い出す。油断していると見とれてしまうほどの美しさであった。そんな幽々子には妖夢という頼れる従者がいる。
普段の幽々子はお世辞にも威厳があるとは思えないが、それでも人心を掌握しているといえる。
貴方「なんだかよく分からないが、人ならざる美貌、確かに受け入れよう」
どんな姿になっても自分を受け入れろという意味なのだろうか? それはバイドとして幻想郷にやってきたジェイド・ロス提督を思い出させた。
俺が手を伸ばすとやはり幽々子はそこから俺の体内に吸い込まれていった。それと同時に激しい眠気に襲われ、俺は再び意識を失った。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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